記事一覧
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2024年02月05日
サラダには向かない。【詩】
買ったばかりのレタスの葉に茶色の筋がありまして それが生きていた頃にこの子が貯めた栄養素なのも知っていますが 私は一枚剝いで捨ててしま...
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2024年02月05日
ざまあみろ【詩】
糸にぶら下がって ゆらゆらしている針が嫌い 子供のころは おっかなびっくり なかなか穴に通せなくて 勤めだしても 全部お...
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2023年08月07日
干天の慈雨【エピローグ】
【エピローグ:生きよ。】 『仕事が決まったら、出ていきます。これまで払ってもらったお金も必ず返します。いつまでもお世話になりっぱなしじ...
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2023年08月07日
干天の慈雨【六】
【六・満天。】 1 「アンタ達、何でったって傘もささずに。いくら若くたって風邪ひくよぉ」 生活感溢れる古民家を案内されながら、ずぶ濡...
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2023年08月07日
干天の慈雨【五】
【五:白日】 1 あと一時間で夜が明ける。Yシャツと紺のニットベストを身につけた仁朗は、車のアクセルを踏み込んでいく。 助手席に座るト...
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2023年08月04日
干天の慈雨【四】
【天泣。】 1 重苦しい雰囲気が漂う白樺ホールディングスの社長室で、仁朗は代表取締役社長を勤める父・来栖浩一郎(くるす・こういちろう...
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2023年08月04日
干天の慈雨【三】
【三・密か。】 1 夜中のセレモニーホールは静かだ。遺族もホテルや控室に戻り、葬儀スタッフだけが動き回る空間になる。 葬儀スタッフ...
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2023年08月02日
干天の慈雨【二】
【二・笑ふ。】 1 シンクに向かい、悠介は空になった食器を洗う。流水の冷たさに、眠気が薄れていく。 随分疲れている様だったと、仁朗...
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2023年08月02日
干天の慈雨【一】
※過去に小説投稿サイトで連載していたオリジナル小説となります。人の死やパワハラ、トラウマなどの描写を含むため、苦手な方はブラウザバック...
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2023年05月10日
溺れる奇麗な白魚へ。
安普請のアパートの二階で、恵美と同棲を始めて数ヶ月。梅雨に入ってすぐ、土砂降りの雨が降った。 日が暮れてもやまないそ...