ざまあみろ【詩】

 

糸にぶら下がって
ゆらゆらしている針が嫌い

子供のころは
おっかなびっくり
なかなか穴に通せなくて
勤めだしても
全部お母さんに丸投げた

だけど 三十過ぎたら
私しかあのちっさな穴が見えなくなって
しぶしぶ 糸通しの役目を仰せつかった

えらくあっけなく済んじゃって
ちょっと呆気にとられるくらい

いつの日か
私がおばあちゃんになっても
かわりに糸を通してくれる人はいないけれど

それなら
毎日Tシャツやジャージを履けばいい
フリースもセーターも
ボタンがない服なんてたっくさんあるし

そしたら あんたなんて
暗いとこにしまわれっぱなしなんだから!

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